禁断のプロポーズ
「課長、美味しいですか?」
未咲は、目の前で、小さな弁当と海老マヨを食べている夏目に訊いてみた。
自分もちょっぴり食べて呑みながら。
「家で課長はやめろ。
気詰まりになるから」
「そうですか。
じゃあ、なんて呼びましょうか。
……遠崎さん?」
「夏目でいい」
「じゃ、夏目さん。
私は、未咲でお願いします。
夏目さん、スポーツニュースが好きなんですか?」
夜風とビールとスポーツニュースって、いい取り合わせなのだが、夏目があまり画面を見ていないので、そう訊いてみた。
「いや、音の具合がいいからだ」
このバラエティとは違う騒々しさがいいのだろう。
なんだかわかる気がする。
少し笑うと、夏目がこちらを見た。
「あれから、なにか進展したか?」
「いいえ。
なんにも。
今日、桜さんについて来てもらって、自宅にも帰ってみましたが、特に変化もなかったですしね」
「しかし、鍵も窓も壊されてないのに、日記がなくなっていたというのは妙だな」
「そうですねえ。
誰かに、鍵がコピーされてたとか?」
「待てよ。
お前の家は、姉貴が住んでた家とは違うんだよな」