禁断のプロポーズ
「なに揉めてんの」
と声がして、振り向いた。

「ああ、桜さんっ」
と今の自分の窮状を訴える。

 もちろん、コンパのセッティングを頼まれたことに関してだけだが。

「馬鹿ね、そんなの無視すればいいじゃないの」
と桜はあっさり切り捨てた。

「どっちをですか?」

「どっちって?」

「無視して、水沢さんを引きずっていくとか」

「いや……。
 あんた無茶にもほどがあるでしょう」

「そうだ。
 桜さんも来ませんか? そのコンパ」

「なんでよ」

「だって、たぶん、幹事として、行かなきゃならなくなるので、付いてきてください〜っ」
と泣きついた。

「もう〜。
 しょうがないわねー。

 コンパに行ってたなんて、専務にバレたくないんだけど」
と桜は可愛らしいことを言う。

 本当はもう一度、言いたかった。
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