キャラメルに恋して




それから、しばらく海の向こうを寂しそうに見つめていた。




そして、お兄さんは「スッキリしたぁ」なんて言いながら、私の方を見た。




「次は、君の番だよ」



なにを言っているのかわからなくて、動きが止まる。



……………えっ?

わわわ私ぃ〜!?





「お前、彼氏の事が大好きだったんだろ?……顔見てたらわかるよ」





困ってオロオロしている私をお見て、兄さんは優しく微笑んだ。



そう、私は彼氏の事が本当に大好きだった。




だけど………お兄さん、貴方って天才じゃないの?




だって私は、顔には絶対に出さないんだから。



私、本当に彼の事が好きだった。



だけど、何があっても顔には決して出さなかった。




わがままを言ってウザがられるのが嫌だったから……いや、怖かったから。





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