キャラメルに恋して
何分ぐらい待っただろうか?
今まで沈黙を貫き通していたお母さんの肩が、いきなりプルプル震えだした。
「……ぶはっ、も~雛なに言い出すの?お母さん、もうそんな年じゃないわよ」
何かと思えば、お母さんはお腹を抱えて笑っている。
1人で緊張した私がバカみたい……なんて思いながらも、和んだ空気に安心しきっていた。
だけど、お母さんからの一言により私の緊張は、また戻ってくることとなる。
「なんでそんな事聞いてきたの?」
「え…、ただなんとなくだよ。友達のお母さんが再婚するって話を聞いて…」
「ふ~ん、そう」
お母さんは、私の答えにただ興味なさそうに呟いて、テレビの画面へと目を向けた。
………あ、危なかった。
そりゃそうだよね、いきなりそんな事言われて不思議に思わない方がおかしいよね。
だけど、勘のいいお母さんの事だから気付いてるんじゃ……、なんて不安が心の端にあった。