キスより甘くささやいて
と、予想どうり、私は山猫の2階で眠った。
一応、卒業のレポートを眠らず、仕上げたせいもあって、
直ぐに酔っ払い、シルビアママに2階に連れて行かれた。
シャワーだけ浴びて、
いつもの派手なスウェットに着替え、
ソファーベットに転がる。

何度も繰り返す波の音が、颯太の声を連れて来る。
私は「颯太。」と口の中で呟いて、涙を流す。
ゆっくりと頬を撫でられる感触がある。
シルビアママのお休み。
と言う声が聞こえた。

早朝。
また目が覚めてしまった。
ゆっくりと、階段を降りて、店の中を通る。
哲也君はまだ起きていて、これから、眠るみたいだ。
私はいつものように鍵を借りて、
哲也君に手を振って、外に出る。
泊まるたびに朝早く散歩に出るので、
最近は私専用の鍵を作ってくれているのだ。
私は早朝に空気を深く吸い込んで、
ゆっくりと海に向かって歩き出した。
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