能あるイケメンは羽目を外す
「困ったな。これじゃあ動けないよ」

規則正しい寝息まで聞こえてきて……今起こすのは絶望的だ。

もう!陽斗~。寝るなら寝室があるじゃない!

何で私の膝なのよ。

起きたら絶対に文句言ってやるんだから!

私は陽斗の寝顔をまじまじと見つめる。

それにしても……。

「無防備な寝顔」

それに、まつ毛が長くて……端整な顔立ちしてて……いつ見ても綺麗で……。

陽斗の茶色の綺麗な髪に触れたくなって手を伸ばす。

「ちょっとだけなら……良いよね?」

今なら熟睡してるし、触ってもバレない。

ほんとにちょっとだけ……。

自分にそう言い聞かせて触れると思いの外柔らかかった。

ちょっと触れるつもりが段々癖になってきて、髪をすくように撫でる。気持ちいい。

この髪、カラーリングじゃなくて地毛だ。私は髪は真っ黒だから羨ましい。
< 108 / 286 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop