能あるイケメンは羽目を外す
乱れた髪をかき上げベッドから起き上がると、ベッドルームを出て冷蔵庫から水の入ったペットボトルを一気に半分程飲み干し、カーテンを開ける。

「うっ……」

入ってくる日差しが強くて思わず目を閉じる。

空は雲一つない快晴。

俺の心もこの空のようにスッキリしている。もう迷いはない。

デザイナーの道は今は断念せざるを得ないが、自分が諦めなければ何れまた服は作れる。

道は誰でもない……自分の手で切り開くものだ。

それからシャワーを浴びて着替えると、飛行機の手配を済ませ、杉原から届いたメールをチェックし、九時過ぎに楓を起こした。

「楓、起きて。もうちょっと寝かせてあげたいんだけど、飛行機の時間があるから」

優しく声をかけて、今度は楓の唇にゆっくり口付ける。

「う……ん、陽斗?もう……ちょっと寝たい」

うっすら楓が目を開ける。だが、まだ頭は寝ぼけてるらしい。
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