能あるイケメンは羽目を外す
楓の様子が気になってバスルームに向かうと、彼女のすすり泣きが聞こえた。

「楓?」

バスルームのドアを開けて中に入ると、彼女は泣きながら洗い場で首を何度もゴシゴシと洗っていた。

「楓‼」

俺は楓に駆け寄って彼女の手からスポンジを取り上げる。

「陽斗、返して!」

楓が手を伸ばすが、俺はその手をつかんで頭を振った。

「駄目だよ。こんなにゴシゴシ洗ったら血が出る」

首は真っ赤になって血が出る寸前だった。

こんなヒリヒリするまで洗うなんて……。

「私……汚い。いくら洗っても汚いの。陽斗も……私に触れたら汚れちゃう。……だから離して」

楓が泣き叫びながら俺に懇願する。

きっと片桐の奴が彼女の肌に触れたのだろう。
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