キミはすぐそば。
第5章 存在
『小久保さんが急に抜けたら寂しいじゃん』

「え?何それ…。」

予想だにしていなかった返信に、アイナは一瞬戸惑った。
だが、暫くしてから

『ごめん、まだ戻るつもりは無いんだ』

と返した。すると

『本当に?戻んなくていいの? 』

(高橋君、何が言いたいんだろう…)

『ごめんね、折角だけど』

そう送り返すと、相手も諦めたのか

『そっか。無理強いはしたくないけど、また考えてみて入りたくなったらいってね』

と返ってきた。

「私、必要ないと思って抜けたけど…。こんなふうに思ってくれてる人もいるんだな。」

ふとそう思ったとき、アイナの表情には少し笑みが浮かんでいた。
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