Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
「みのりちゃん、何で泣いてたんだよ?」
お好み焼きをたらふく食べたお腹を抱えて歩きながら、二俣が遼太郎に尋ねる。
「あれは…、荘野のことで。学校辞めたこと話してたら…。」
話がみのりのことになって、遼太郎は神経を硬くした。
少し前までは、みのりを心に思い浮かべるだけで心が温かく和んでいたのに、それがウソのように胸がキリキリと痛みだしてくる。
「それじゃ、みのりちゃんの様子が変になったのは、遼ちゃんがあんなこと言ったからだな…。」
「あんなことって…?」
と言いながら、遼太郎は二俣の言おうとしていることを察して、二俣の顔を凝視した。
「『大学なんて、東京なんて行きたくない』って言ってただろ…?」
察していたことを二俣から言い当てられて、遼太郎は言葉をなくした。
「…ごめん。片づけが始まったことを言いに部室に行ったら…その…。」
二俣の方も顔を赤らめて、言葉を詰まらせた。
みのりを抱擁する遼太郎の姿を目撃し、その時の会話を聞いてしまったのだろう。
みのりと遼太郎だけが共有する甘い時間を覗き見してしまったような気がして、二俣は申し訳なく感じていた。