Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
「うん、ありがとう。」
遼太郎が微笑んで頷くと、二俣も同じように頷いて、
「それじゃ、またな!」
と、自転車にまたがると第2グラウンドを後にした。
また明日会えるかのような二俣の言い方だが、「また」次に会えるのはいつになるのかは分からない。
みのりだけではない、心から信頼し合える親友とも離れ離れになってしまう現実が、どっと遼太郎に押し寄せてくる。
遼太郎は第2グラウンドに佇んで、大きな二俣の背中が遠く小さくなっていくまで、一人静かに見送った。
夜遅くになって、みのりの携帯電話のメールの着信音が鳴った。
『今から電話してもいいですか?』
という遼太郎からのメールに、みのりの心臓が一気に激しく鼓動を打ち始める。
何も告げずに帰ってきてしまったことへの後ろめたさと、愛しさだけではない遼太郎への複雑な心情を抱えて。
けれども文面を見て、それが遼太郎から送られてきたものだと思うだけで、みのりの心は愛しさに満たされ、切なく絞られた。
メールだけではなく、今すぐに遼太郎の声が聞きたくてどうしようもなくなる。
緊張して指までが震えるので、深呼吸をして心を落ち着け、みのりは自分から遼太郎へと電話をかけた。