Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜



「はい。…先生?」

「…うん。」


 電話の向こうに遼太郎がいる…。ただそれだけで、みのりには涙が込み上げてくる。


「今日は何も言わずに先に帰っちゃって、ごめんね。」

「いえ、用事があったのに、応援に来てくれてありがとうございました。」


 本当は何も用などなく嘘をついているのに、遼太郎からお礼を言われたことが、みのりの後ろめたさをいっそう強くした。


 心が痛くて涙が溢れ、言葉に詰まる。
 遼太郎も言葉を探している…、そんな息遣いを電話越しに感じた。


「実はあの後、みんなでお好み焼きを食べに行きました。」


 少し明るい声の遼太郎に、みのりの方も涙を手の甲で拭い、気を取り直す。


「そう。あれだけ差し入れ食べてて、まだお腹に入る余地があったんだね。」

「俺は、おにぎり食い損ねましたけど。」


 遼太郎がそう言うと、みのりも笑いを含ませた息をもらした。
 空気が和んだところで、遼太郎が本題を切り出してくる。


「あの…。先生。」

「うん?」

「今日、部室で言ったこと…。」

「部室で?」


 みのりが訊き返すと、遼太郎は躊躇しているのか、一瞬沈黙し言葉をためた。


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