Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜



 遼太郎はいつも、みのりとは1分でも1秒でも長く一緒にいたいと思っている。

 自転車を全力でこぎながら考えていたことは、みのりがドアを開けてくれた瞬間に、みのりを抱きしめてしまおうということ、ただ一つだった。

 でも、実際のみのりに相対してみると、みのりの気高さとあまりの可憐さに、遼太郎の思考も体も硬直してしまう。

 最初はそんなふうに、遼太郎にとってみのりは、恩師と恋人の境界にいるような存在だ。二人のだけの時間が熟成され、みのりが自分のへの深い想いを表現してくれて初めて、遼太郎は呪縛が解けてみのりを抱きしめられた。


「さあ、お昼ご飯。作りましょうか?」


 早速みのりがそう提案すると、遼太郎は目を丸くした。


「もう、作るんですか?」

「『もう』って、もう10時過ぎてるじゃない。今くらいから作り始めないと、お昼にご飯が食べられないわよ。」

「案外、時間がかかるんですね…。」

「今まで、出来上がってるのを食べるだけだったんでしょうけど、これから料理をするようになると、お母さんが作ってくれてたありがたさが解るようになるね。」


 ニッコリ笑うみのりに、遼太郎はもう一度肩をすくめた。


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