Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
そして、数冊ある卒業アルバムの中に少し古ぼけたものが1冊あることに、遼太郎は気が付く。手に取ってみて、それはみのり自身が高校を卒業する時のものだと分かった。
「あっ…!それ!!」
と、焦ってみのりが駆け寄ってくる。
「見るの?見るつもり…!?」
本棚の横に立っている遼太郎を見上げて、みのりが確かめる。
「もちろん。高校生の時の先生に、興味あるし。」
遼太郎はニンマリと笑って、それに応えた。
ソファに座りなおして、遼太郎がアルバムを開くと、みのりも観念したように隣に座って一緒にそれを覗き込んだ。
自然なみのりの動きに対して、遼太郎の体が不自然に反応する。
体と体が接しているわけではないのに、隣にいるみのりの存在を意識して、遼太郎の右側が熱くなってくる。
腕を伸ばしてみのりを抱き寄せて、二人の間のわずかな隙間をなくしてしまいたいと思ったが、それをしてしまうときっとそれだけでは終われない。
それに今は、自分の欲望よりもみのりの過去を知ることが、遼太郎の中では優先された。欲望の方を意識の外に追い出して、手にある卒業アルバムに目を落とす。