Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜



「好きとか、そういうこと以前に、私は十二歳も遼ちゃんよりも年上だから、遼ちゃんに似つかわしくない。一緒に生きていくには、私じゃない方があなたのためだと思う。」


「そんなことありません!俺にとって先生以上の人がいるはずがない。」


 さっきこそ、あんなキスを交わしておいて、こんなことを言い出すみのりのことが、遼太郎は理解できなかった。


「今はまだ、遼ちゃんは狭い世界の中で生きているから、そう思うのかもしれないけど……。私よりもすばらしい女性はたくさんいるし、人の心は変わりやすいの。きっとこれから遼ちゃんの周りには素敵な女の子がたくさんいて、きっとその子たちのことが好きになる。もしそうなったとき、私という存在がいたら、あなたは苦しまないといけなくなる。」


 実際、高校生の時は将来を誓い合っているような恋人たちでも、大学進学と共にそれぞれが新しい環境の中に身を置くようになると別れていってしまうのを、みのりはたくさん見てきている。
 それは高校生同士はもちろん、想いが通じ合った男性教師と女子生徒の場合でも。

 そうなる前に、みのりは遼太郎を自由にしてあげたかった。


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