Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
必死で石原の肩を押して抵抗するも、力でかなうはずもなく、石原は懇願を聞き入れてくれない。
――助けて、助けて!……遼ちゃん!!
白昼の学校でこんなことをしているところを、誰にも見られるわけにはいかない。大声で助けを求めることもできずに、みのりは涙を流し、歯を食いしばりながら、ただ心の中で遼太郎を呼んだ。
でももし、こんな状況を遼太郎が目にしたなら、彼はどう思うだろう。
遼太郎は、石原のことを尊敬してやまなかった。
もちろんみのりだって、聡明で優しい石原のことを、尊敬して憧れて…、何にも増して好きだった……。
――こんなことをする人じゃなかったのに…!
そう思った瞬間、みのりは弾かれたように真実に気が付いた。
石原をこうしてしまったのは、誰でもない自分だということを。
あの時、石原と向き合うのが怖くて、こんな修羅場になるのが怖くて逃げてしまった。
あんな卑怯な別れ方をしなければ、石原だってこんなふうに引きずることもなく、こんな行為に及ぶこともなかったはずだ。
必死で抵抗していたみのりの腕の力が抜ける。
もちろん心の中で愛しく想うのは、遼太郎だけだ。遼太郎以外には、触れられたくない。
けれども、他にどんなふうにしたら石原の心を癒せるのだろう…。