Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
「結婚は、……できません。付き合ってもいませんから。でも、私はその人を想いながら、独りで生きていくって決めてるんです。」
みのりの言葉を聞きながら、石原はさらなる力を込めて、みのりを離そうとはしなかった。みのりの耳には、自分の大きな胸の鼓動と石原の荒い息遣いだけが聞こえてくる。
もうキッパリと拒絶して、意思表示はした。これ以上、石原の腕の中にいる必要はない。一刻も早くここから抜け出して、この部屋を出て行かねばならない。
みのりが石原の腕から逃れようと体をよじらせた瞬間、
「だったら、そいつを忘れさせてやる…!」
みのりの体は石原によって、長机の上に押し倒されていた。
みのりが驚いて目を見開いた時には、無防備だった唇は塞がれて、みのりの意志に反してキスは深められる。
「やめてください!」
顔を背けキスを拒み、体を起こそうとすると、石原の両手がみのりの肩を押さえつけた。そして、みのりのブラウスのボタンを引きちぎりながら、胸元を開く。
初めて見るそんな暴力的な石原に、みのりは恐れおののき、体がすくみ、動けなくなった。
「いや…!やめて…。」
首筋から胸元に石原の髭が滑り落ちるのを感じながら、みのりは涙声で懇願した。