Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
みのりも、遼太郎のその言葉を噛みしめる。
生徒だった遼太郎を、一人の男性として好きになることは、教師のみのりにとってかなりの勇気を要することだった。
教師としてあるまじき想いという自分の中の心の〝壁〟が、それを阻んでいた。
それに、教師と生徒という立場の違いという“壁”を乗り越えて、遼太郎と想いが通じ合えるとは、到底思えなかったから。
だけど、その〝壁〟を壊してしまうほど、自分の遼太郎への想いは強かった。決して低くはないその〝壁〟を乗り越えて、想いを確認し合えた。
「…そんなふうに言われると、…遼ちゃんに『先生』って呼ばれるたびに、いろんな大事なこと思い出して…泣いちゃいそうよ…。」
そう、みのりからつぶやかれて、遼太郎はいつものように優しい笑顔をみのりに向けた。
「大丈夫です。先生が泣くのには慣れてるし。それに…、俺の知らないところで泣かれるよりも安心です。」
この遼太郎の素直な言葉を聞いたみのりの胸が、キュンと切なく鳴いた。
もちろん、硬派な遼太郎は計算などして言っているのではない。だけど、これまでみのりに愛を語ってくれたどんな男性の言葉よりも、遼太郎のそれはみのりの心を震わせた。