Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜



 それから、1週間ほどの時が過ぎた。俊次のことは気になっていたけれども、今年のみのりは3年生の授業のみで、1年生の教室へ行くこともない。
 日々の業務で相変わらず忙殺されていて、敢えて時間を見つけて会いに行く…ということも出来ずじまいだった。


――…俊次くんは、ラグビー部に入ってくれたかな…?


 普段仕事をしている時には、他のことに意識が向かないみのりだが、この日の放課後、溜まっていた課題のチェックをしている時、ふとそのことが頭に過った。

 急ぐ仕事ではないこともあって、みのりはほとんど無意識にその手を休め、席を立っていた。古庄の机の周りにたむろしている女子生徒の間を抜けて、職員室を出る。


 もう4月も下旬に差し掛かっている。部活に入る生徒のほとんどは、すでに入部を済ませているだろう。もしかして俊次は、ラグビー部ではなく他の部活に入ってしまっているかもしれない。

 そこまで思いが至ると焦燥感に駆られ、みのりは俊次がラグビー部に入ってくれるよう、何とか説得してみようと思った。『マジでウザい』と思われないように…。


 俊次が1年8組に在籍していることは、名簿を見て確かめていた。
 教室を覗いて見ても、終礼が終わってずいぶん経っているので、生徒もまばらで俊次の姿もなかった。教室の中にいた女の子数人をつかまえて、俊次がどこかの部活に入ったか尋ねてみたけれども、よく知らないようだった。


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