Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
ため息をついて、思案に暮れる。1年生の校舎の廊下から中庭を見下ろして、久しぶりの風景を眺めつつ、俊次の姿を探した。
すると、そこで出くわしたのは、俊次ではなく……伊納だった。
「お!1年生の教室に、何の用?」
面倒な人物に出会ってしまったと、みのりは心の中で天を仰いだが、念のため伊納にも俊次の所在を訊いてみる。
「ん~?狩野俊次…?どんな子かな?」
と、伊納は8組には授業に行っていないようで、俊次の存在自体を知らなかった。
みのりはただ頷いて伊納から視線を逸らし、俊次を探すために、職員室とは反対方向へ進路を変えた。
「3年部の仲松さんが、1年生のその生徒に何の用があるの?」
そして伊納も、予想通り職員室へは戻らず、みのりにまとわりついてくる。
「いえ、ちょっと。部活動のことで…。」
みのりも無視するわけにもいかないので、言葉少なに返答だけはしておく。すると、気を良くした伊納は、寄り添って一緒に歩き始めた。
「ね!それより、一緒に食事に行く件。どうしよっか?どうせなら、食事の後に、飲みに行きたいよね。」
またこの話題が出てきて、みのりは本当にうんざりする。食事ならまだしも、飲みに行くなんてとんでもない。下心見え見えの、こういう類の男性とは、あまり関わりたくない。