Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜



「みのりちゃん。ありがとう。」


 次の日の放課後の職員室。背後からかけられた声にみのりが振り返ると、そこにはジャージ姿の愛が立っていた。

 何のことか分からず、みのりが首をかしげる。すると、愛が満面の笑みで続けた。


「狩野くんのこと。突然昨日、入部したいって部活に来たの!」

「ああ、そのこと!」


 みのりも笑顔で応えながら頷いた。


「心境の変化をいろいろ訊いてみても、狩野くんは何も答えてくれなかったけど、やっぱりみのりちゃんが説得してくれたんだ。」

「説得っていうか、ちょっと話をしてみただけなんだけどね。」

「でも、そのおかげでラグビー部に入ってくれたから、みんな喜んでるよ。…ま、練習のキツさにめげて辞めなきゃいいけど。」

「そのことも、昨日ちょっと話をしたんだけどね…」


と、会話が続いていた時に、3年部の内線電話が鳴り響いたので、一番近くにいるみのりが受話器を取る。


『仲松先生に、お客様がいらっしゃってます。正面玄関で待っていらっしゃるので、降りてきて頂けますか?』


 事務室からの連絡を受けて、受話器を置いた瞬間、みのりは相手の名前を聞かなかったことを後悔した。


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