Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
佐山も言いすぎてしまったことを少し反省したのか、声のトーンを少し落として、もう一度遼太郎の目を捉えた。
「とにかく……、遼太郎。好きじゃない相手と付き合ってもうまくいかないことは、身を以て経験してるじゃないか。そもそもお前は…、付き合うってどういうことか…、人を好きになるってどういうことか、解ってないよ。」
そう言い残すと、佐山は足を大学生協の方へと向け、早足で立ち去ってしまった。
その後ろ姿を追いかけることなく、遼太郎は樫原と共に見送る。
「…晋ちゃん。悪気があって言ってるんじゃないよ?狩野くんのこと心配だから、あんなにまで言うんだよ?」
必死になって佐山の弁護をする樫原を、本当に『友達思いなんだな』と、遼太郎は思う。
そんな樫原の心に癒され、遼太郎は微笑んだ。
「……解ってるよ。それに…、いつも佐山の言うことは、間違ってない。」
それは、彩恵とのことで思い悩んでいた遼太郎に、いつも佐山は的確なアドバイスをしてくれていたことでも証明済みだ。
遼太郎が理解してくれてることに、樫原もホッと息を抜く。
「晋ちゃんって、ある意味アーティストだから、恋愛に関しても、すごく純粋なんだよね。すごくピュアで感受性が強いから、その場の盛り上がりで女の子を好きになっちゃったりするし。…でも、それでいて、女の子の方に打算があったりすると、すぐに見抜いて気持ちが冷めちゃったりするんだよね…。」