Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
そのいろんな経験をした上で、みのりは生徒だった自分を好きになってくれた――。
その現実を反芻するたびに、遼太郎の胸がキュンと切なく痛む。そして、いつもそこから遼太郎は、自分自身を信じる力を自分の中に蓄えた。
「今度の週末、どこかに行きますか?」
付き合い始めてから2週間。いつも大学のキャンパスで会うだけの関係だった道子に、遼太郎がそう言って持ちかけた。
道子と一緒にいる時間がそれなりに過ぎていき、気心も少しは知れてきていたし、付き合っているのだからデートの1回くらいは…と、思ったからだ。
「先週の週末は、どうして誘ってくれなかったのよ?」
細い目で睨まれながら、不機嫌そうにそう返してきた道子に、またしても遼太郎は面食らってしまう。
先週末は、土日ともラグビースクールの遠征で出かけていたのだが、当然、そんなことまで道子には報告していない。
前の彼女の彩恵は、メールやLINEなどで、逐一遼太郎の行動を把握しておきたがったが、道子はそんなことはなかった。
一応メールアドレスの交換はしているけれども、道子の方からも頻繁にメールが来ることもない。
しかし、それはそれで遼太郎は心配になってくる。
道子がまた、不特定の相手と体の関係を持っているのではないかと…。