Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
「『彼氏』だからって、……俺には、そんなつもりはありません!!」
遼太郎は階段にも足をかけずに、断言した。
道子はそれを聞いて、もともと浮かなかった表情をもっと曇らせて、階段を降りてくる。けれども、遼太郎の前に立って向き直ると、不敵な笑みを浮かべた。
「狩野くん…。もしかして初めてなの?だったら、私がリードしてあげる。上手に出来るように、いろいろ教えてあげるから。」
そんな言われ方をして、遼太郎の顔に血が上ぼる。屈辱のあまり唇を震わせて、遼太郎は険しい目で道子を見下ろした。
「…好きじゃない女の人とは、…絶対にしません…!!」
自分のことは好きではない…そう言われているのに、道子はひるまなかった。毅然とした遼太郎の態度に相対しても、道子はそれを自分に対する挑戦とばかりに、笑みに色っぽさを加えた。
遼太郎にもう一歩歩み寄ると背伸びをし、両腕を遼太郎の首に絡ませて、ぴったりとその体を密着させる。
「私…、狩野くんに言われたから『あんなこと』だって止めてるんだけど?だったら、代わりに慰めてくれなきゃ。」
その誘っている道子の声色と目つきに、思わず遼太郎の体には、ゾクリと悪寒が走った。
遼太郎が後ずさっても背後には壁があり、逃げ場がなく、更に道子から迫られると、その豊満な体の輪郭まで洋服越しに感じ取れた。