Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜



「………分かった。…沙希に連絡してみるよ。」


 気を取り直した二俣が幾分明るい声で応えると、遼太郎は安心したようにニッコリと笑った。


 二俣と沙希には、別れないでいてほしい――。
 遼太郎は、心からそう思った。愛しい人と、会える術をなくしてしまう…。こんな辛い思いをするのは、自分一人で十分だった。



 ラグビーをして家に帰った時、「ただいま」の挨拶もそこそこにすることは、何はさておいても〝入浴〟だ。今日のように試合をした日は特に、頭の髪の毛の間から鼻の中まで砂だらけなのだ。


「うおぉぉぉおぅ……!!」


 遼太郎が浴室へ向かうと、俊次の雄叫びが聞こえてくる。一足先に、試合の後の〝洗礼〟を受けているみたいだ。
 俊次とは先ほどまで一緒に第2グラウンドにいて、現役対OBの試合でコテンパンに伸してやったばかりだ。


 風呂は先客がいたので、遼太郎はしょうがなくリビングへと向かう。そこでは母親と姉の真奈美が、年賀状の仕分けをしてくれていた。


「ああ、遼太郎。おかえり。ほら、これ。あんたの分の年賀状よ。」


 束にして輪ゴムで括った年賀状を真奈美から受け取ると、ゆっくり見るために、そのまま側のソファに腰を下ろそうとした。


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