Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
「蓮見さんは、県民新聞の記者さんなのよ。今日の試合の取材に来たんですって。」
みのりもそんな風に蓮見を紹介して、取材を受けてくれるように促した。
俊次の今日の活躍がもし新聞に載ったら、顧問の江口はもちろん俊次の〝家族〟も、きっと喜ぶだろうと思って…。
しかし、俊次はあからさまにしかめっ面になった。
「花園で活躍したんならともかく…。それに、俺はまだ1年だし、偉そうなこと言って怒られたくないから。話を聞きたいなら、顧問の江口先生に聞いてください。」
蓮見は面食らって目を丸くしたけれども、すぐに温和な表情を取り戻す。
「そうか、まだ君は1年生なんだね。先が楽しみだ。…それじゃ、江口先生の方に話を聞いてみるよ。」
そう言いながら、俊次に、それからみのりに微笑みかけた。
「みのりさん。それでは、また。」
みのりも会釈をして、遠ざかっていく蓮見の姿を見送る。そのみのりのホッとした表情を、俊次は見逃さなかった。
「……みのりちゃん。あいつにストーカーでもされてるのかよ?」
「えぇ!?」
俊次から飛び出してきた過激な質問に、みのりの方が驚いて目を剥いた。
「蓮見さんは、ただの知り合いよ。そんなアブナイ人には見えないでしょ?」
それを聞いて、みのりの怯えたような表情の原因は、みのりの心の方にあるのだと、俊次は察知する。