Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜



 そのみのりのウンチクに、由起子はまるでウロコが落ちたように、目を丸くした。


「へえぇ~、そうなんだ!じゃ、祇園祭って、芳野だけじゃなくて他所でもやってるけど、それもみんな弥栄神社?」

「そうそう。京都の祇園祭は有名だけど、その祭りをしてる八坂神社を地方に勧請して、日本各地に八坂神社ができたのね。芳野の場合は『弥栄』って書いて、漢字が変化してるけど。ま、それで、いろんな所で祇園祭が行われてるわけ。」

「ふうん…。だけど、そもそもどうして日本各地に八坂神社があるの?」

「八坂神社の神様は素戔嗚尊(スサノオノミコト)なんだけど、各地に勧請されたのは、その神様よりも、疫病を封じるための『祇園祭』の方が目的だったんだと思う。それほど、昔の人にとっては疫病って怖かったんだろうね。」

「へえぇ~!知らなかった!!仲松さん、すごい!!さすが日本史の先生ね!!」


と、感心した由起子が持ち上げてくれたが、みのりは肩をすくめてそれを軽く受け流した。


「…あ!先生!!」


 露店も出て賑やかな通りを歩いていると、やはり祭りに繰り出しているのだろう、見知った生徒から声をかけられる。
 それに笑顔で手を振って応えながら、弥栄神社までの参道をそぞろ歩いていると、今度は由起子が声をかけてきた。


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