Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜



「……猛雄。お前、それ、考えすぎだって。そんな腹黒い子が、あんなふうに無邪気に笑えるわけないよ。」


 あくまでも陽菜を擁護する佐山に、樫原は業を煮やした。


「晋ちゃんはそんなふうに上っ面に騙されて、女を見る目がないから、いつまでたっても『心から好きになれる子』に出逢えないんだよ。」


「なっ、…何だと!?」


 樫原の言動がとうとう許せなくなって、佐山の方もつい声を荒げてしまう。


「とにかく、あんな子と関わってると、狩野くんはきっと厄介なことになるよ。」


 これ以上一緒にいると、ケンカになってしまう。それを察した樫原は、そう言い残すと、自分の飲み物を持ってその場を立った。


 一人になってしまった佐山は、たった今樫原からなされた指摘が、思ったよりも胸に突き刺さっていることに気が付いていた。
 それほど、樫原が言ったことは、痛いくらいに真実を衝いていた。

 心から愛しいと思える、運命の人と出逢いたい。
 探し求めるようにいろんな女の子と付き合っても、どの子ともしっくりこない。付き合う子の数が増えるほどに、佐山の心には虚しさだけが募っていった。


 遼太郎と、樫原と佐山。仲の良い三人組は三者三様、お互いに打ち明けられない恋の悩みを抱えていた。


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