Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜



 合宿の最終日は、宿を出て隣町にあるメガソーラーへと向かった。海に面した埋立地に大手企業が建設したこの施設は、日本最大級のものだった。
 見渡す限りに広がっているおびただしい数のソーラーパネルに、遼太郎をはじめゼミ生一同、圧倒されて驚き入る。


 ただただ見聞を広めるのに夢中な遼太郎と、今日もその側にしっかりと寄り添っている陽菜。そんな二人を見る樫原の視線。


 その樫原の心の内が、著しく揺れ動いて変化していることを、遼太郎は少しも気が付くことはなかった。行程がほぼ終わったことに安心して、帰りの飛行機の中では、佐山の隣で爆睡した。



 合宿が終わった後、去年までならすぐさま実家に帰って部活に顔を出していた遼太郎だが、今年はアルバイトをしていることもあり、お盆休みになるまで足止めを食らってしまった。
 お盆前後の1週間、どうにか都合をつけ帰省しても、お盆中は部活も休みになるので、あまり後輩のために貢献はできそうになかった。


 といっても、アルバイトの合間を縫って、夏休みの間に開催されているインターンシップに申し込んだり、就職のためのセミナーに出席したりしていると、夏休みとはいえけっこう忙しい。


< 532 / 775 >

この作品をシェア

pagetop