Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
遼太郎がドアを開けて、中へと招き入れられる。
すぐ背後に遼太郎の息遣いを感じた瞬間、みのりは弾かれるように反応して、急いで靴を脱ぎ、部屋の奥へと足を踏み入れた。
遼太郎の暮らす部屋――。
小さな部屋の片隅にはベッドがあって、勉強机があって……、光と匂いと、その全てを自分の中に刻みつけるように、深く息を吸い込んでから、みのりは口を開いた。
「やっぱり住む人が同じだからかな?芳野の狩野くんの部屋と、雰囲気が似てるね。」
「俺の部屋?」
部屋の片隅に大きなリュックサックを置きながら、遼太郎はみのりへと振り返る。
「私ね、今、俊次くんの担任してるの。それで、家庭訪問で、狩野くんの家にも行ったのよ。」
「ああ、そう言えば。俊次から聞いてます。」
「その時にね。『俊次くんの部屋を見せて』って言ったら、すごく片付いた部屋に案内されて。でも、実はそれは、狩野くんの部屋だったってわけ。」
自分の本当の心を押し隠すために、みのりの口からは次から次へと、止めどなく言葉が出てくる。そんなみのりに、遼太郎はニコリと笑いかけた。
「先生、立ったままじゃなくて、座ってください。」
「うん。」
みのりは言われるまま、部屋の真ん中に置かれたローテーブルの側に座った。