Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
「ハハハ…、礼儀正しいね。仲松さんの弟さんですか?」
けれども、医師のその一言で、遼太郎は再び仏頂面になる。もうとっくに高校生ではないのに、〝大人〟の自分になっても、なかなかみのりの恋人には見てもらえないようだ。
「……その人は、私の弟ではなくて、彼氏なんです。」
そのとき、みのりが少し恥ずかしそうに肩をすくめて、そう言った。
そんなふうに紹介されて、遼太郎の心臓が跳ね上がった。医師の丸くなった目に見つめられる顔が、熱をもって赤くなっていくのが分かった。
それから、医師が何かを言って病室を出て行っていたが、その言葉は遼太郎の耳には入らなかった。
遼太郎が改めてみのりへと視線を戻すと、目が合った瞬間にみのりの顔も真っ赤になる。
みのりも、遼太郎を〝彼氏〟として紹介することは、意識してしまうようだ。
「……そ、それ。何持ってきたの?そんな大荷物……。」
赤くなった顔をごまかすように、みのりの方から遼太郎に声をかける。
「これは、先生の着替えです。着ていたのは汚れてしまったし、着替えも持ってきてないみたいだったし……。」
と言いながら、遼太郎もなんとか気を取り直そうとしたけれど、まだ〝彼氏〟と紹介されたことに動揺していて、フワフワと雲の上を歩いているような感覚だった。