Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
……すると、そこにはベッドの上に身を起こしたみのりと、もう一人若い男がいて、二人で楽しそうに話しをしている……。
あまりの思いがけなさに、遼太郎は言葉を発することもできず、両手に大荷物を抱えたまま立ちすくんだ。
「……あ、遼ちゃん。」
気配に気がついて、みのりが遼太郎へと視線を向けた。ベッド脇の椅子に腰かけていた男も振り向いて、遼太郎に会釈をする。
よく見ると、昨晩みのりの治療に当たってくれた医師だった。
「今ちょうど、先生が回診に来てくださってたの。」
そう言って、みのりが状況を説明してくれたが、遼太郎の目にはどう見ても〝回診〟には見えなかった。
遼太郎は医師に挨拶するどころか、ここに居座るその下心を察知して、眉間にシワが寄った。
「このまま調子いいようだったら、明日退院できるみたい。」
医師から伝えられた経過の説明を、みのりから遼太郎へ伝えられると、遼太郎の表情もパッと明るくなった。
「ホントですか?先生のおかげです。ありがとうございます!」
と、荷物を持ったまま医師に向かって頭を下げた。みのりに色目を使う相手だろうが、この医師はあの窮地を救ってくれた命の恩人だった。