Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
「今日の試合、勝てて良かったね。すごく激しくぶつかり合うから、ちょっとびっくりしたけど…。」
みのりが試合のことへと話を振ると、遼太郎も恥ずかしそうな笑顔を見せた。
「センターは体を張るポジションですから。でも、どっちかと言えば俺はスタンド(※)よりもこっちの方が好きなんです。」
「そうだろうと思った。とてもイキイキしてたから。」
試合を思い返して、みのり自身とても満ち足りた気持ちになったくらいだから、遼太郎の爽快感は如何ばかりだろう。
――これで、ラグビーを辞めちゃうなんて、ちょっと寂しい…。
みのりはそう思ったけれど、口に出しては言わなかった。きっとそれは、遼太郎が一番感じていることだ。せっかく勝利に酔っていい気分になっているところに、水を差したくない。
その時、タープの下で声が上がった。マネージャーが差し入れられたものを選手たちに供したらしい。
「あっ!」
いち早く遼太郎がそれに反応する。
「早く行かなきゃ、なくなっちゃうよ。」
みのりがそう言って目配せすると、遼太郎は土ぼこりにまみれた顔や手を洗いに、小走りで水場へと向かった。
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(※ スタンド…スタンドオフの略)