ぼくのことだけ見てなよ
「あのぉ、すみませーん」
「やだー!孝宏くんのエッチー!」
「………」

チッ。どんな話してるんだっつーの!わたしが声をかけても、彼女たちは聞こえないのか、聞こえないフリをしているのか、まったく動いてくれなかった。

「楓くん、それでねー!」
「うんうん」

美島も美島で、女子の話を聞いてるし…!

その時だ。美島がチラッと、わたしのほうを見てニヤリと笑った。

あ、完全わかってるよね。コレ。わかってて、わたしをチラ見したんだよね?

なら、わたしにも考えがある。一旦うしろへ下がり、美島の真後ろへ移動する。

そして、思いっきり美島の頭にゲンコツを落とした。

「いっ…!?」

相当痛かったんだろう。美島は、頭を抱えて机の上で悶え苦しんでいた。

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