ぼくのことだけ見てなよ
美島が…美島が、ホントに来てくれた。わたしが叫んだと、ほぼ同時くらいにバンッと扉が開いて。

ホント、遠い場所からでも、わたしがピンチになったら、来てくれるんだね。

すごく嬉しかったし、不安だったココロが一気に安心して、思わず美島に両手を広げて伸ばした。

美島は、すぐに優しく抱きしめてくれて涙が止まらなかった。けれど、美島に背中の傷を見られてしまった。

多分わたしが隠そうと、腰に手をやったから。自分で教えちゃうなんて、情けないったらありゃしない。

美島が立ち上がり、彼女たちのところへ行くと、いつもとはチガウ冷たい声がした。

そこへ、松井と那津が息を切らしながら屋上へとやってきた。那津は、わたしの傍でずっと肩や背中をさすってくれていた。

那津に寄り添っていると、突然涙声で謝る声が聞こえた。ピックでわたしの背中を傷付けた彼女だ。ヤツは泣きながら謝っていた。ただしわたしにじゃなく、美島に。

美島は、わたしに〝どうしてほしい〟か聞いてきた。そんなこと言われても、正直困る…。

ホントは、怖いんだよ。いくら謝られても、さっきの光景が頭から離れてくれないんだ。

< 95 / 162 >

この作品をシェア

pagetop