あまりにも猟奇的な少女たち
花園
紫陽花の季節、
麗子は その群生地に立ち
雨の降るのを待った
彼女が 紫陽花を好きになったのは
思い出のデートがきっかけ

紫 一色に埋まった雨の中
ふと、花の横に 生い茂る葉の裏に
蝸牛の群れを見つけ
寒気を覚えた

身体中に 蝸牛が這う姿を夢想し始め
居たたまれなくなった 麗子は
その夜 彼の地の紫陽花を
壊滅させた
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