あまりにも猟奇的な少女たち
夢想 雑踏破壊工作
品川のホテルの窓の前に立ち、
死ねなかった夜の明けるのを
ただ、黎子は眺めていた。
隣のベッドには心中の企てを
頓挫させた張本人 
令子がうずくまっていた。
死んでいるのか、ただ寝ているだけなのか、
興味がなくなった抜け殻が
横たわっていた。

覚えているのは、
様々な薬を二人で並べ、
ビールとサイダを交互に並べ、
互いの不幸自慢を告白したあと
一つずつ 呑む干していったことだけ。

親のこと
彼氏のこと
ともだちのこと
潔癖症ゆえの苦労話
つきることなく
ひとつずつ
お互いの傷を共有していった。
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