溺愛ドクターは恋情を止められない
「なーんだ。彼女ならよかったのに」
「そうだな」
先生と清春君の会話に、鼓動がうるさくなる。
『そうだな』と言ってくれた先生の表情が見えない。
きっと、嘘に違いない。
それでも、うれしかったのは、高原先生のことが気になるから?
「わー、広い!」
郊外の大きな公園は、一歩足を踏み入れると別世界だった。
コンクリートに囲まれた生活をしていると、こんなに緑あふれる場所は、まぶしくて仕方ない。
思い切り大きく息を吸い込んでみると、たくさんの木々が作り出したばかりの酸素がおいしく感じられた。
「清春、転ぶぞ」
興奮してひとりで走って行ってしまう清春君を見つめる先生の目が、とても優しい。
清春君がこうして回復したことを、本当に喜んでいるに違いない。