溺愛ドクターは恋情を止められない
「ごちそうさまでした」
きちんと家まで送り届けてくれた彼は、「楽しかった。ありがとう」と微笑む。
良い返事をしなかったのにもかかわらず、紳士的な態度で接してくれる先生は大人だった。
「ありがとうございました。それでは」
エントランスに向かうと「松浦」と呼ぶ声がする。
再び小谷先生の方を振り向くと……。
「また、会ってくれる?」
不安げな小谷先生を初めて見た。
診察中でも、こんな顔をしたことがない。
「おやすみなさい」
結局はっきりとした返事をせず、私は逃げた。
部屋に帰って明かりを灯すと、ヘナヘナと座り込んでしまった。
やっぱり、高原先生と酒井先生は、付き合っているんだ。
小谷先生には申し訳ないけれど、高原先生のことで頭がいっぱいになってしまった。