溺愛ドクターは恋情を止められない
「松浦さん、外科の先生誰か呼んで」
通常こういう要請は師長かその時のリーダーナースが行うけれど、ナースはひっきりなしに走り回っていて誰も手が空かない。
酒井先生に言われて病棟に電話をすると、すぐに高原先生が来てくれた。
「酒井、こっちやるから」
「ありがとう。助かったわ」
外科系の担当医は、整形の先生で緊急オペに入ってしまった。
高原先生はすぐに処置室に入っていった。
頭部挫傷で入ってきたこの患者は、昼間だというのにお酒の匂いがプンプンする。
名前もわからず、とりあえずIDを持っていくと、高原先生が全身を調べていた。
「松浦、レントゲン呼んでくれる?」
「はい」
ナースは相変わらずいない。
ひとり入院が決まったところだし、酒井先生の方にも必要だった。