溺愛ドクターは恋情を止められない

軽い気持ちで女の人と付き合っていた事実はよいことではないけれど、彼自身の緊張のはけ口だったのは、少し理解できる。
たまらなく辛いことがあったときは、誰かにそばにいて欲しいから。

そんな小谷先生が、すべての女と手を切り、私のことを真剣に思ってくれているなんて、すごく贅沢なことなのかもしれない。

そう必死に考えるのは、高原先生のことを忘れたいから……。


更衣室に向かう廊下で「松浦」と私を呼ぶ声が聞こえた。
声の方を振り向くと……高原先生が足早に近づいてきた。


「先生、あの……ありがとうございました」


そういえば、先生が家まで来てくれたことに動揺して、お礼のメールすらしていない。


「いや、早く見せたくて」


彼はどうしてこんなに優しく笑うのだろう。
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