溺愛ドクターは恋情を止められない
小谷先生が受けた患者は、重症だった。
到着するとすぐにナースが走りはじめる。
名前不詳のままIDを作り処置室に持っていくと、小谷先生が心臓マッサージを始めていた。
心臓が止まってるんだ……。
ドキドキしながら部屋を出ると、「戻った!」という小谷先生の大きな声。
心拍が開始したようだ。
ホッと胸を撫で下ろしていると、次から次へと小谷先生の指示が飛ぶ。
こんな時にも冷静に診断できる先生達は、本当にすごい。
それから色々な検査があっという間に行われ、消化器外科の先生が呼ばれて、緊急手術が決まった。
「はぁ」
汗びっしょりの小谷先生がスタッフルームに戻ってきた。
「お疲れ様でした」
「うん、ありがと。松浦ちゃん、悪いんだけどコーヒー淹れてくれない?」
「わかりました」