溺愛ドクターは恋情を止められない
「私はなにも……」
「そうかな」
「えっ?」
太陽が――完全に海に飲み込まれた。
「俺は松浦が近くにいてくれるとホッとする。患者を救えなくても、もっと頑張ろうと思える」
先生の透き通った瞳に吸い寄せられる。
ホント、に?
先生の役に立てているの?
突然殴られ、沈んでいた気持ちが、浮上してくる。
「さて、腹減ったな。食べようか」
先生は暗くなり始めた空の下で、ファーストフードの袋を開けた。
まるで清春君と一緒に公園に行ったときみたい。
こうして自然の偉大さを感じながら食事を摂るのは、贅沢なこと。
「おいし」
「そうだろ?」
ニコニコと笑う先生も、リラックスしているように見える。