溺愛ドクターは恋情を止められない
「一年に一度会える彦星のアルタイルは、まだ低い位置にある」
彼は東の空を見つめた。そして……。
「一生に一度の出会いかもしれないと、感じたんだけど……」
「えっ?」
それは、どういう意味?
「天の川を渡るのは、簡単じゃないんだな」
辺りが暗くなってきて、ベンチの上にあった電灯がともる。
彼は少し苦い顔をして、唇を噛みしめた。
その切なげな横顔から、視線をそらせない。
彼は今、なにを思っているのだろう。
たまらなく彼の心に触れたい。
だけど、もちろん私にそんなことができるはずもない。
それから私達は、徐々に暗くなる夜空を見上げていた。
星がひとつ、ふたつ、と輝きだした時、突然高原先生のスマホが鳴って、ビクッと震える。