溺愛ドクターは恋情を止められない
「わかった。すぐ戻る」
きっと患者の急変だろう。
「ごめん。病院から呼び出し」
「いえ。連れて来て下さって、ありがとうございました」
お礼を言うと、彼は優しく微笑みながら立ち上がった。
「元気出せ」
「はい」
私の頭をポンと叩いた彼は、もう一度空を見上げてから歩き出した。
「家まで送れなくて悪いんだけど……」
「いえ。行ってください」
「まさか。こんなところにかわいい女の子ひとりで、置いてけないぞ?」
『かわいい』なんて言われると、勝手に心臓が高鳴る。
たとえ社交辞令だとわかっていても。
「病院に行く途中に駅がある。そこでいいかな?」
「はい。すみません」