溺愛ドクターは恋情を止められない

内藤さんの心遣いはありがたかったけれど、私は首を横に振った。

今までの小谷先生の行いは、たしかに批判されても仕方がない。
でも今は、私のことを真剣に考えてくれていると感じるから。


「内藤さん。私は大丈夫です」


本当はちっとも平気じゃない。
だけど、私が向き合うべき問題だから。


「でも、それじゃあ、都がひどい女みたいじゃない」

「いいんです。内藤さんが怒ってくれて、うれしいです」

「都……」


内藤さんは眉をひそめて、溜息をつく。


「都がそう言うのなら……。でも、聞かれたら否定しておくわよ」

「ありがとう、内藤さん」


結局、小谷先生が本気で私を好きでいてくれることを、内藤さんには話せなかった。
ただの噂だったと終わらせた方が、小谷先生は傷つかない気がしたから。
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