溺愛ドクターは恋情を止められない
「高原先生にお電話を頂きました」
「あっ……」
受付で、名刺を差し出したのは、児童相談所の職員だった。
「高原先生……」
私が後ろから声をかけると、それが誰だか察した彼は小さく頭を下げる。
「高原です。よろしく願いします」
そして、一言だけ挨拶を交わすと、再び母親に向き合った。
「こちら、児童相談所の方です」
「はっ?」
母親の顔が一気に険しくなる。
「お母さんのしていることは、虐待、です。お子さんはこちらで責任を持って治癒させます。ですが……」
「なに、言ってるの!? 勝手にこんな人を呼んで。なんだっていうの?」
明らかに取り乱し始めた母親の様子を見て、たしかに虐待をしていると感じる。
そして、その自覚があることも。