溺愛ドクターは恋情を止められない
私も楽しかった。
今日初めて出会ったばかりなのに、とても。
「すみません。ごちそうさまです」
さやかちゃんのことは、忘れるべきではないと思う。
人の死をそんなに簡単に考えるのは、イヤだ。
だけど、どこかで消化して、これからもまた働かなければならない。
新しい患者は、次々とやって来る。
高原先生と話して、少しだけ冷静になった。
「医者って、金持ちでふんぞり返ってなんて印象があるかもしれないけど、研修医は、寝る暇もないほど忙しくて」
彼は会計を済ませ駐車場に向かいながら口を開く。
もうすっかり辺りは暗くなってきた。
「休みもほとんどないし、すぐ呼び出されるし。家も寝に帰るだけなんだ」
私達は帰ることができても、先生達は残っていることが多い。
当直でない先生の姿を院内で見かけることも少なくない。