溺愛ドクターは恋情を止められない
「先生、全部知ってそう」
なんだかおかしくて、思わず笑みかこぼれた。
次の日の朝は、早くに目が覚めた。
入院してから規則正しい生活を送り、睡眠時間も十分に取れていたからか、目覚めがいい。
幸い頭痛もなく、体の調子も上向いてきた。
顔を洗って着替えると、玄関のチャイムが鳴って驚く。
ドアホンを覗くと……。
「小谷先生……」
慌てて玄関に出ると、小谷先生が待っていた。
「松浦、おはよ」
「おはようございます。先生、どうして?」
「うん。病棟の夜勤だったんだ。だから、今帰り。これ、差し入れ」
先生は「こんな時間だから、コンビニのだけど」と手に持っていた袋を私に渡す。
中にはケーキが入っていた。
「ありがとうございます」
交際を断ったというのに……。
私の周りは優しい人でいっぱいだ。