溺愛ドクターは恋情を止められない
声をかみ殺して涙を流し続ける。
届かない恋の辛さに、身を焦がしながら。
「えっ……」
するとその時、背中から彼に抱き寄せられて……。
まさか、起きてた、の?
ドクンドクンと心臓から送り出された血液が、私の顔を真っ赤に染めていく。
「松浦」
返事できない。
私、なんてこと、してしまったんだろう。
「今、なにした」
「なにも、してないです……」
緊張で声がかすれてしまう。
「それなら、どうして泣いてる?」
もう首を振るのが精一杯だった。
「こっち、向いて?」
「……イヤ、です」
彼女がいるのを知っていて、私……。
「イヤでも、向いて」
先生の熱い息が耳にかかってビクッと震える。
私の体に回した彼の腕に力がこもる。
お願い。もうこれ以上優しくしないで。